25.7.14

静かな夏*スピッツベルゲン島

日本では梅雨も終わり、これからが本格的な夏になろう、というところだろうが、
私の個人的な感覚からすると、この島のあたりではもう夏も最盛期を折り返しているのではなかろうか、
と思う。

人も。自然も。

一面を覆っているチョウノスケソウが散ってくると寂寥感が漂う。


もちろん相変わらずの白夜続きなのだけれど、観光客は6月に比べると減り、
また地元民も長期ホリデー期間に突入し、少し静かになっている。
さらに、あんなに島唯一の小鳥、ユキホオジロのヒナはいつの間にか巣立ちの時を迎え、
アジサシたちの威嚇行動も何かぱったりとなくなってしまったからだ。
これからが最盛期か、と構えていたけれど、世界中どこでも北の地域がそうであるように、
夏の最盛期というのは北であればあるほど分かりにくいのかもしれない。

と、少し暗くなってしまったけれど、こんな書き出しになったのは最近の気候にある。
白夜なのだが、最近の晴天率は異様に低い。
6月以降、快晴の日はおそらく2日程度、晴れたねと言えるのが5~7日程度、他はすべて曇り、ないし雨である。特にここ数日は激しく風が強い。

午後9時の虹。この日はずっと強風で雨だった。


こんな話をしていると、地元の人が例年こんな感じなのだ、と教えてくれた。
6~7月までは曇りが多く、8月になってから晴れの日が増えてくるらしい。
オゾンホールの下にいる身としては太陽サンサンなのもちょっと怖いけれど、
やっぱり万年雪が青空の下に輝いている光景は心が澄むような気がしてやっぱり好きだ。