スピッツベルゲン島は遥か昔、赤道付近にあったのだそうだ。
それが現在は北極圏へ。
今を生きている私たちにはなかなか想像しがたい事実だけれど、
その証拠は、島名の由来にもなったたくさんの尖った山(独語:Spitz=先端、Bergen=山々)の
チョコレートの層のようになった地層を専門家がよくみるとわかるらしい。
そしてそんな層からはその時代にここに茂っていた、
今となっては一本もこの島には生えていない木本植物の化石が見られる。
化石ハンティングがひとつのツアーになっているくらいだ。
その事実はすなわち、人類にとってのエネルギー、石炭もこの島に眠っているということも意味する。
先人たちがその事実を早く知らないはずがなく…
というよりもこの島の開拓の歴史の主要な部分はそこから始まるといってもいい。
そもそもこの島の首都ロングイェールビン(Longyearbyen)というのも
アメリカ人の炭鉱経営者Longyearからきている。※Byenはノルウェー語で街の意味。
街は炭鉱の経営によって始まり、現在も経済を支える主要な産業は炭鉱であり、
電力も石炭である。
ロングイェールビンから内陸に進んでいって30分ほどの隣町ニビェンとの間には、
地元の子供たちに「夏場のサンタクロースの家」と呼ばれる旧炭坑跡がある。
これが日本だったら記念碑作ってとっとと撤去されていたであろう、古めかしさ満載。
調べてみると、最初に設立されたのは1913年。
第二次世界大戦中にナチスによって爆撃され、1943年から1962年まで燃え続けたのだとか。
こんなところにまで戦争の影響があったことにも驚きだが、
18年も燃え続ける石炭のパワーにさらに驚く。
現在のは新しいもので、閉山となる1968年まで使われていたものだそうだ。
かなり険しい斜面ではあるが(多分45°以上)、登ることも可能で自己責任だが中にも入れる。
廃墟マニアと歴史好きにはたまらない場所ではないだろうか。
そして意外と次から次へと人が訪れる
。
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