札幌の秋の風物詩となりつつある、『さっぽろオータムフェスト』。
中心部の大通公園で半月に渡って開催される、北海道の味覚が一堂に集結するイベントだ。
なかでも私が気になっていたのは、北海道が生むワイン。
北海道では温暖化の影響を受けて、年々ワイン用ブドウの栽培がしやすくなってきているそうだ。
品種としては白はドイツのケルナー、赤はオーストリアのツヴァイゲルトなどが主流のよう。
他の国産ワインよろしく、やはりヨーロッパでのワイン祭りと比べてしまうとなかなかいいお値段なのだけれど、
これだけの期間に、これだけの種類を楽しめる立ち飲みバーが設置されるというのはすごいことではないだろうか、と思う。
ヨーロッパで出会った、「ワインが身近にある空間」は私にとっては衝撃的で、日本で持ち続けていた、ヨーロッパの手の届かない高級感が良い意味で崩れた瞬間でもあった。
日本でもワインは徐々に広まって、最近ではバル(なんでスペイン語なのだろうといつも思う…)も増えて気軽には飲めるようになってきてるとは言っても、
日本酒やビールと比べるとまだまだ高級品でおしゃれなイメージが強く、ある種のステータスにもなっているように思う。
価格が変動しない以上、なかなか価値観を変えることは難しいのだろうけれど、
ワインには他のお酒にはない、空気を滑らかにする特別な魅力があると私は思っている。
優雅、特別、上品、お洒落。
決して悪い言葉ではないのだけど、もっと身近な優しい言葉が似合う魅力が。
大げさだけど、日本人に足りない何かがそこから生まれるのじゃないかなんておもってしまったり。
余市・ツヴァイゲルトレーベ&道産素材を使ったペスカトーレ
ドイツ・リースリング&道産チーズ
十勝・清見、山幸&ミュンヘナーヴルスト、ザワークラウト
ワインの歴史はまだまだ浅く、質も量も磨かれていくのはこれからなのだと思う。
でも、ワインを取り巻く環境が特に北海道には豊富にそろっている。
多くの食材と、何よりも物理的に大地を感じる広大な空間。
このお祭りにはそんな魅力的な空間のカケラがあるように思う。
それがなんだか今の私はすごく嬉しかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿