世界って言葉は大げさだけれど、今日も私はこの世界で生きていかなければならない。 学んで、働いて、旅をして、誰かと出会って、泣いて、笑って… 現代はお金と時間と動ける体さえあれば文明の利器を使ってあっという間に世界を渡り歩けるけれど。 ほんの少し立ち止まって、その空間から少し深く何かを探しだして、書き留めておきたい。
6.3.15
美食の街*リヨン
フランス第二の都市、リヨン。かつては絹で栄えた商業都市。
街はセーヌ川とローヌ川の二つの川に分断された3つの地区からなる。
美しいのはやっぱり川沿いの手工業の街並み。
どこかの絵でこんな風景を見た気がする。
パリのベースの色が白ならば、リヨンの街は淡彩色だと思う。
この街、名物のクッスンをいただきながらエスプレッソを飲んだ。
日本の和菓子を食べながら抹茶を飲んでいる感覚になるから不思議だ。
同じヨーロッパでも隣り合うドイツとはちょっと違う。
ドイツならば大きいケーキに伸ばしたコーヒーが合う。
どちらかが良いわけではなくて、おしゃれなわけではなくて、
そこの空気ではそれぞれが居心地よくさせる気がする。
美食って何だろう。
同じ価格帯なら、美しさというものなら日本のほうがきっと素敵な料理とサービスが出てくるに違いないと私は思う。
でも、美しい時間というのならどうだろう。
地元の大地を感じる時間をこんなに楽しむことが出来るだろうか。
気取らないけれどかけがえのない時間を楽しむことが出来るだろうか。
食でも、人でも、美しさは本当に奥が深い。
でも、全てが明確ではない部分の味わい。隠れた部分があるからでこその味わい。
それが本当の美しさなのかな、と思う。
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